お茶濁し座談会アイツの敵は俺の敵
アレン: あでっ!!いたた……なんなんですか此処は。真っ暗で何も見えやしない゛っっ!? 神田: んだよ、此処は。 アレン: っ、神田!?もしかして今僕の背中に突き刺さったのって六幻ですか!? 神田: チッ……気のせいだ。 アレン: 思いっきり気のせいなんかじゃありませんよ!なにするんですか、なにを!! 神田: 歩いてただけだ。視覚が奪われてんだから仕方無ぇだろが。 アレン: 故意でなかったとしても、ぶつかったのなら謝るのが筋ってものじゃないんですか? 神田: ……まぁ俺は視覚が奪われた位じゃ物にぶつかったりはしねぇがな。お前と違って。 アレン: ム、たった今僕にぶつかったじゃないですか。 神田: わざとだ。勿論。 アレン: 謝って下さい今すぐ全身全霊込めて。 神田: ―――あ? アレン: 左腕でその長い髪を切り裂きますよ。 神田: うるせぇ、今お前の後方で何か光ったんだよ。 アレン: はい?……何も光ってないじゃないですか。話を逸らさないで下さい。 神田: ……。 アレン: 神田?聞いてますか?って、居ますか? 神田: ……おい、モヤシ。 アレン: 誰がモヤシですか。 神田: 発動させてみろ、左腕。 アレン: ……はい?なんですか突ぜ―― 神田: いいからさっさとしろ。 アレン: 上等ですよ。お望み通り発動して差し上げますよ。なんなら発射もしましょうか? 神田: ……ああ、別にそれでも良い。 アレン: へ?あ、神田…… 神田: ?んだよ、変な声出しやがって。 アレン: いえ―――あ、もしかして発動させたのって、灯り取りの為……? 神田: ……それ位しか使い道ねぇだろお前のその左腕は。 アレン: んなっ!?……神田の六幻は何の役にも立ってませんけどね。 神田: ああ゛?云うじゃねぇか。 ?: おーい! リナリー: やっぱり、アレン君だ。 アレン: リナリー!?い、何時の間に……。 リナリー: うん。光が見えて、アレン君だと思って飛んで来ちゃった。良かった、アレン君で。神田も居たんだね。 ラビ: ホントホント、珍しい組み合わせさね。 アレン: うわあっっ!!? リナリー: ラビ? 神田: やっぱりさっきの声はお前だったのか。 ラビ: よっ! アレン: 驚かさないで下さいよ!心臓に悪いじゃないですか!! ラビ: そんな驚かんでも……。 神田: ヘタレだから仕方無ぇだろ。 アレン: 誰がヘタレなんですか誰が。 神田: お前以外に誰が居んだよ。 リナリー: ちょっと、2人共やめなさいよ。 ラビ: そーだぞ2人共。ヘタレ同士無駄な争いはやめるさ。 神田: 誰がヘタレだ。 アレン: 誰がヘタレですか。 リナリー: ラビ、蒸し返さないの! ??: おーい! ???: リナリイイィィィィィィィ―――――――!!!! アレン: ……この声。 リナリー: 兄さん? コムイ: リナリイイィィィィィイイ゛ッ!? リーバー: ちょっ、落ち着いてくださいよコムイ室長。大丈夫ですか? コムイ: イタタ……ダイジョーブ、ちょっと躓いただけだから。 アレン: コムイさんとリーバーさん、ですか? リーバー: お、やっぱアレンだったのか。 アレン: あ、はい。あ、この光ですか? リーバー: おお、遠くからボーっと見えてな。それにコムイ室長が コムイ: リナリー!逢いたかったよリナリイイィィィッッ!! リナリー: 兄さん、大丈夫だから落ち着いて、ね? リーバー: リナリーの匂いがするって……な。 ラビ: 大変さね、コムイのお守りも。 リーバー: 全くだよ。好い加減妹離れしてくれたって良いのに。 アレン: あははは、は。 コムイ: リナリー、大丈夫だったかい?ボクが居ない間に、この暗闇に紛れて変な事はされなかったかい!? リナリー: 大丈夫よ兄さん、全然そんな事は無いから安心してね? ラビ: コムイの奴……あれは誰の事をさして云ってんのかね。 アレン: さぁ……。 リーバー: ……さあな。 神田: ―――フン、如何でも良い。コムイの変態っぷりは今に始まった事じゃねぇからな。それより此処は何処なんだ。 ラビ: そうそう、それ。俺もそれが気になってたんさ。 アレン: いや、それは誰だって気になってますよ、ラビ。 ラビ: それはそうなんだけど、これもコムイの実験室、とか? リーバー: いや、それは―― コムイ: それは違うよラビ。ボクはこんな用途不明な部屋は作らないもん。 アレン・神田:
ラビ・リーバー:(いや、作ってるだろ) コムイ: それにこんな暗闇……折角の可愛いリナリーのお顔が見られなくなるじゃないか。 リナリー: 兄さん、もういいから……。 ラビ: ふーん。ってー事は、今回はコムイは無関係って事さ? リーバー: そうみたいだな。 神田: ……如何だかな。 アレン: ま、まあコムイさんを信じるとして……一体全体、なんなんでしょうかねこの部屋は。と云うかそもそも部屋かどうかも怪しいところですけど。 リナリー: そうね。それにこう暗いと無闇に動けないし怖いわ。 コムイ: 大丈夫だよリナリー。いざって時にはボクが守ってみせるから! アレン: そうですよ。リナリーの事は僕らが守ります。 リーバー: ま、及ばず乍ら、俺も、な。 ラビ: どんな奴が来たって、エクソシストが4人も居んだから大丈夫さ!な、ユウ? 神田: 当たり前だ。俺一人で片付けてやるよ。 リナリー: うん、そうだね。皆ありがとう。 リーバー: ん? 神田: !……亦か。 ラビ: ?どうしたんか2人共。 リーバー: いや、今向こう―――遠くの方で何か光った……よな?神田。 神田: ああ。リーバーが来る前にも一度、あの方向で光ってた。 アレン: あ、そう云えばそんな事云ってましたね。僕はてっきり神田の妄言だとばかり。 神田: ンだとコラ。 リナリー: やめなさい神田! リーバー: 落ち着けって神田。俺も見たんだし、見間違えなんかじゃねぇから。な? コムイ: そうそうごおっ!? リナリー: 兄さん!? リーバー: 室長どうしたんっスか!?アレン、こっちに! アレン: はいっ!コムイさん大丈……ぶ……で、すか……。 神田: トロくせぇ。 ラビ: コムイ……情けないさ。 リーバー: ……室長、幾ら暗くて見えないからってしっかりして下さいよ。情けなくて泣けてきます。 コムイ: しょうがないじゃないか、躓いちゃったんだもん!もう、起こしてくれたって良いんじゃないの? リナリー: ガタガタって音がしたのはコレだったのね。大丈夫兄さん? コムイ: リナリ〜。リナリーだけだよ心配してくれるのは〜。 アレン: でも、これは?テーブルと、椅子がー…… 神田: 7脚か。 リーバー: どういう意味なんだ。 コムイ: ……取り敢えず座るかい? ラビ: コムイ、なかなか大胆さ。 コムイ: だってさ〜。ずーっと真っ暗な中歩いてきたんだよ?もう足が棒みたいだよ〜。 リナリー: 兄さん、判ったから泣かないで。 リーバー: まぁ、確かに室長程じゃないにしろ、いつもと違う空間に閉じ込められてると疲れてくるよな。 アレン: そうですよね。それに闇雲に歩き廻るよりは良いんじゃないでしょうか。 ラビ: そりゃそうだけど……。 神田: 怪しさに変わりはねぇ。 アレン: じゃあ神田だけ一人でどこかへ行けば良いじゃないですか。 神田: ンだと!? ラビ: そもそもなして7脚なんさ?俺ら6人しか居ないのに……それが怪しさを増してるんさ。 リナリー: そうね。誰か来るのかしら? コムイ: あ、こんな所にランタンが。 神田: ……こっちには蜀台と蝋燭がある。 リーバー: でも点けようにも火が無いっスよ。 コムイ: リーバーくんマッチとか持ってないの? リーバー: 持ってませんよ、煙草吸いませんもん。 コムイ: 参ったな、ボクも持ってないし……。 ラビ: 流石のアレンもこれは無理さね。 アレン: ええ、そうですね。 リナリー: 何の為に置いてあるのかしらね。 : そりゃあ火を燈す為でしょう。 アレン: ぎゃあっ!!? リナリー: きゃあっ! ラビ: うわっ!? コムイ: なっ! リーバー: !? : 随分な歓迎のご挨拶ねぇ。 ラビ: さ、流石に今のは俺も吃驚したさ……。 神田: 気配を殺して近づいてくんな。 : あら、事があってからじゃ遅いじゃない。どれか一つでも感覚がそがれた場合は万全を期す為にもね。 神田: 忍者かよ。 : ふふ、ユウにそう云って貰えるとは光栄だわ。 神田: フン。……2回程光ってたのは、か。 : あ、見えてた?そうそう、私。あまりにも暗くて進んでるのか如何か怪しかったから確認の為にね。 コムイ: って、2人共和やかに会話してるけど。 ラビ: ユウ……吃驚せんかったん? 神田: ―――別に。 : またまた〜。肩がビクッってしてたわよ? 神田: っしてない! : 仕方無いわよ。ま、驚愕の声は出てなかったけどさ。 神田: だからしてねぇって云ってんだろ!! : はいはい。ところでコレ、点けないの? リーバー: いや、点けようにも火が無いんだよ。 リナリー: はマッチか何か持ってるの? : んー……リナリーの此処とかにあるんじゃないのかしら? リナリー: きゃあっっ!?ちょ、何処触ってるのよ!! アレン・ラビ:
リーバー:(本当に何処触ってんだ……気になる) コムイ: ちょっとくん!リナリーに変な事しないでくれる!? : あーら、良いじゃない別に女同士だもの。それに私はマッチを探してるだけよ? リナリー: んもうったら!私も触り返すわよ? : きゃー、リナリーのえっちー。 リナリー: !こら待ちなさい!って、本当に待ちなさい何処行ったの!? コムイ: くん? リーバー: !? : なによ。 リーバー: うわあっ!!って、行き成り消えて現れるなよ。 : 吃驚する、って? リーバー: 心配するだろ。 ラビ: ……な、なぁユウ。あの人っていつもあんな感じなん? 神田: ああ、まぁな。 アレン: 読めない人ですよね。 ラビ: そうさね……。 コムイ: それよりくん。マッチは持ってるのかい? : 煙草も吸わないのに、マッチなんて常備する訳無いじゃない。 リナリー: そうよね。 : ――でも火なら点けられるわよ。 リナリー: え? アレン: 本当ですか? : 勿論。こんなトコロでそんなくだらない嘘吐いて如何するのよ。 アレン: そ、それはそうですけど、でもどうやってですか? : んー――、幾つか案はあるけれど。 ラビ: そんなに!? : 一つは、これね。 コムイ: それは……。 : そう、私の愛機、イーグルとファルコン。 リーバー: 成程、そういう事か。 アレン: 成程って、リーバーさん判ったんですか? リーバー: ああ、まぁな。 神田: 判んねぇのはバカだけだ。 アレン: なんですって。 リナリー: ああもう、2人共やめなさいってば! ラビ: ……あ、もしかして薬莢の火薬を使って――― : 正解。でも面倒臭いのでこれは無し。 コムイ: ちょっとくん! : 五月蝿いなぁ。ちゃんと点けるからマッチの一本も持ってない役立たずは文句云わないの。 ラビ: ……なかなか毒舌さ。 アレン: ええ、僕もそう思ってました。 : Jr. ラビ: はいっ!? : なにもそこまで畏まらないでも……まあ良いわ。イノセンスは持ってる? ラビ: あ、えーっと、はい、持ってマス。 : そう、それじゃあ発動して。 ラビ: ……はい? : 発動。 ラビ: ……なして、デスカ? : 灯りを点ける為に決まってるでしょ。話についてきてるか? ラビ: いや、だから灯りを点けるのと発動するのとに何の関係が……。 神田: フン、成程な。 リナリー: え?神田判ったの? 神田: まぁな。 アレン: (バカなのに)判ったんですか? 神田: 判んねぇなんてバカだな。おいラビ、さっさと発動して第二解放しろ。 ラビ: 第二解放?……ああ!やぁーっと判ったさ。 アレン: え?なんですか? リナリー: 第二、解放……? ラビ: 皆、ちょーっと離れるさ。 : うん、遅いからもう良いわ。 ――パリッ ボウッ―― コムイ: ぎゃあっ!! アレン: なっ!今勝手にランタンに灯が点いた!? リナリー: 今の、ラビが? ラビ: いや、俺は未だなんも……。 リーバー: ……。頼むから行き成り灯を点けるのは止めてくれ。危ないからさ。 : だって遅いんだもの。 リーバー: 今から点けるトコロだったんじゃないか? : イノセンスって云った時点で気付かないあの子が駄目なのよ。 神田: 全くだな。 アレン: さり気無く毒舌が。 ラビ: 酷いさ……酷い上に怖いさ。 : ねー。そうよねー。ユウだけだわ私の味方してくれるのは。リーバーまで私を責めるのよ。 リーバー: 別に責めてないだろ? : 責めたじゃないJr.の肩をもってお前は短気だって。 リーバー: 云ってねぇよ。 神田: リーバー(無駄だ)。 リーバー: 神田……(そうだよな)。 アレン: あの、それでラビは一体……。 リナリー: そうよ、判るようにちゃんと説明して。 アレン: それに今どうやって点けたんですか? ラビ: 俺は火判で点ける予定だったんさ。 アレン: ……あ、そうか。 リナリー: その手があったのね。 : ウォーカー君。 アレン: はい!?なんでしょうか! : もう発動解いて良いのよ。今までご苦労様。 アレン: あ、はい……ありがとう、ございます。 ラビ: それで、お姉様は今どうやって点けたんデスカ? : ん?ああ、それは…… ――パリパリパリパリ ボウッッ―― コムイ: と、このように小さな雷を起こして火を点けたんだよ。 リーバー: だから行き成りやるなって。 神田: なんでコムイが説明してんだよ。 コムイ: 良いじゃないか別に〜。 ラビ: か、雷で…… アレン: ですか……。 ラビ・アレン: (この人って一体何者?) リナリー: 便利よねぇ、いつ見ても。 : まぁね。 神田: コムイにも落とせるしな。 : 文字通りね。 コムイ: それは笑って話す事じゃないでしょ〜。 リーバー: まぁ、兎も角明るくなった訳だし、立ち話もなんだから座るか。 : そうね。好い加減疲れてきたし。 コムイ: リナリーの隣はボクね!その逆隣はくんで! : オッケー。 ラビ: ユウ、ユウ。 アレン: 神田。 神田: ああ? ラビ: お姉様の隣はユウな。 神田: はあ?なんで俺なんだよ。 アレン: お願いします! 神田: モヤシまで……そんなにが怖いか? ラビ・アレン: 果てしなく。 神田: ぅ……ま、まあ別に構わねぇが、の隣にはリーバーが座るだろ。 アレン: じゃあ神田はその隣でお願いしますよ。 ラビ: んじゃ、俺はコムイのとな―― アレン: コムイさんの隣は僕が座りますのでラビは神田の隣でお願いします。 ラビ: わ、判ったさ……。
コムイ: さて。 リーバー: ……座ってみた訳だが。 リナリー: 何も起こらないわね。 アレン: そうですね。 : 座った途端拘束具とか出て来たら面白いのにね。 神田: 面白くねぇよ。 : あらそう?更に椅子の下の床が突然パカッと開いたりしたらそれはもう―― リーバー: ただじゃ済まねぇよな。 コムイ: 怖い事云わないのくん。 : でも、皆それ位の事は想像して座ったのよね? 神田: ……まあな。 リーバー: ……そりゃ最悪それ位の事はな……。 : 拘束された後電気流れるとか。 ラビ: あ、それ思ったさ。 アレン: 怖い事をサラッと云わないで下さい。 : あはは、ウォーカー君って実は怖がり? リナリー: そういう問題じゃないわよ。 神田: ヘタレだ。 アレン: 誰がヘタレですか神田。 : そうかー、ウォーカー君はヘタレなんだー。 アレン: なっ、違いますよさん!ヘタレは神田です! 神田: ンだとモヤシ。ヘタレはテメェだろが。 ラビ: いやいや、アレンもヘタレさ。 アレン: なんですかラビまで!そう云うラビだってヘタレじゃないですか!クロウリーさんの庭の墓を掘り起こす時に……!! : んー、ウォーカー君もJr.も、私が現れた時ぎゃあとか云ってたしねぇ。 神田: そうだったな。 リーバー: いや、アレは誰だって云うだろ。 コムイ: そうそう、アレはくんが悪い。 : まぁ、拘束されたとして、取り敢えずリナリーは逃げられるわよね。 リーバー: だからどうしてその話になるんだよ。 : ほら、最悪の時の事は何時でも予測しておかないと。次にウォーカー君も、左腕発動させればなんとかなりそうね。 アレン: ええ、そうですね。当然ですよ。 : で、Jr.とユウはイノセンスを持てれば多分大丈夫。 神田: 多分じゃねぇよ。 ラビ: 大丈夫さぁ。パンダよりは先に死なんし。 コムイ: ラビ……。 : 問題はコムイとリーバーよね。 神田: 取り敢えず助からねぇな。 アレン: 酷いですよ神田。 コムイ: そうだよ神田くん! : 自力で助かる事は先ず無い。 コムイ: くんまで! : 事実を述べたまでよ。 リナリー: 兄さんは私が助けるわ。 コムイ: リナリー!! : ま、それはそうね。リナリーなら多分大丈夫でしょう。多分。 アレン: それに僕も助けに行きますよ。 コムイ: アレンくん……! : 位置的にギリギリでしょうけど……まぁそうね。 ラビ: と云う事はコムイも助かるんさ? : ええ、残念な事に。 コムイ: くん! 神田: 本当に残念だな。 : 本当に残念でならないわね。 コムイ: 神田くんまで!! アレン: の、残るはリーバーさんですね。勿論さんが助けるんですよね。 : さあ。 ラビ: さあ!? リーバー: ……終わったな、俺。 神田: ……ふん。 アレン: リーバーさん、早まらないで下さい! リナリー: そうよ班長。それになら自分を差し置いてでも先ずリーバー班長を助けるわ。 ラビ: そうなん? リナリー: そういう人よ、は。ね? コムイ: それはどうかな。 アレン: コムイさん!? コムイ: リーバーくんとくんはボクとリナリーみたく兄妹といった血の繋がりは無い。そんな自分の命にも危機が迫った中で果たして他人を助けようと思うかな? リーバー: 室長……。自分はリナリーに助けてもらえるからって嬉しそうに。 ラビ: コムイは酷い奴さ。大丈夫!いざって時には俺が助けっから、な。 リーバー: ラビ……。 : Jr.には無理だわ。 ラビ: ええっ!! : 拘束具が現れて床が開いて。イノセンス発動させて自分の拘束具を壊すのに手一杯よ。 アレン: そんな……。 神田: それが事実だ。 ラビ: だったらリナリーがコムイを助けるのも無理なんじゃねえの?……デスカ? リーバー: それもそうだ。 : それは多分大丈夫よ。リナリーが霧風をコムイの足の下に向けて出せばコムイの身体は椅子ごと浮くもの。そこをウォーカー君がキャッチすれば良いの。 ラビ: あー、ナルホド。 コムイ: やっぱりリーバーくんだけ助からないんだー。 リーバー: 随分楽しそうですね室長。 ラビ: で、でもそしたら俺が槌を伸ばしてリーバーのトコまで行ければ――― : 云ったでしょ、『Jr.とユウはイノセンスを持てれば多分大丈夫』だって。持てなければ2人共アウトよ。 アレン: 酷い……。 : 寄生型と装備型とではそこまで違うものなのよ。 コムイ: そういうくん自身はどうなんだい?くんも装備型だけど。 : 私は大丈夫よ。 コムイ: 自信満々で。その根拠は? : 雷を落とせるもの。 リーバー: それ本当、卑怯だよな。 : 仕方無いじゃない、使えてしまえるんだもの。 ラビ: じゃあそれでリーバーも助かるじゃん。 コムイ: ……あ。 リーバー: 確かに。 アレン: そうですよ、良かったですねリーバーさん。 リーバー: あ、ああ。 神田: それはあくまで拘束されて穴に落とされる場合でのみだ。 リナリー: なによ神田その云い方。他に何かあるって云うの? 神田: 当たり前だ。 アレン: 一体なんだって云うんですか。 : アクマ、ないし我々に対し危害を加えようとする者達が周りに居る場合、ね。 神田: ああ。 ラビ: で、でもリーバーを助けてからそいつ等に向き合っても……。 神田: 甘いな。 アレン: はい? : ユウの云う通り、私はそいつ等を優先するわ。当然リーバーを助け出すよりも前にね。 リーバー: ……そうだよな。 アレン: そんな……。 : より多くの命を救う為には、多少の犠牲は仕方無いでしょ。つきものだわ。 アレン: それにしても……。 : そいつ等を倒さなければ、此処に居る私以外が全滅してしまうもの。 コムイ: あくまで自分は別格なんだね。 : 当然よ。 アレン: 酷いですよさん。 : ウォーカー君。それが兵法なの、生きるって事なのよ。 アレン: でも……。 : それにリーバーなら大丈夫よ。 ラビ: どういう意味さ、それ。 : リーバーは、ユウが助けてくれるから。 リーバー: ……は? 神田: ちょっと待て。いつ誰が助けると云った。 : この通り私とユウはツーカーの仲だから、ユウは私のとる行動なんてお見通しなのよ。だから私が敵に向いてる間にユウはリーバーを助けるの。完っ璧なコンビネーションだわ。 神田: 誰もンな事云ってねえだろ! アレン: そうですよ!それに神田が他人を助けるとは思えません。 神田: モヤシは黙ってろ! : やあねぇ、ユウは優しい子よ?私が望んでる事位判ってくれてるもの大丈夫よ。 神田: 知るかっ!誰が助けてやるかよ。 : 亦そんな天邪鬼な事云っちゃって〜。信じてるよ。 神田: 勝手に云ってろ!俺は助けねぇからな! アレン: ……あの神田もさんにかかると形無しですね。 ラビ: ああ、あんなユウ初めて見たさ。 リナリー: 神田にお姉さんが居ると、あんな感じかしらね。 アレン: ……ですね。 リーバー: つまり俺の命はと神田の信頼関係の上に成り立つんだな。 神田: だからンなもんねぇって云ってんだろ。俺は誰も助けねぇぞ。 リーバー: 信じてるよ。 : ほらほらユウ。人々を守り救うのがエクソシストの役目でしょ。 神田: アクマを壊すのが俺達の仕事だ。 リーバー: 俺は神田の事を信じてるし、の事も信じてる。 コムイ: つまり、くんが神田くんならやってくれるって信じてる事を信じてるって云いたい訳だね? リーバー: ええ。 : ユウがリーバーを助けてくれないと私の信頼まで無くなっちゃう訳ね。大変ねユウ。 神田: 俺の知った事じゃねぇ。っそんな顔で見たって助けねぇからな!! : 信じてるぞーユウたーん。 神田: たんって云うな! アレン: 神田……楽しそうですね。 ラビ: それ本人に云ったら抜刀されるさ。 アレン: 大丈夫ですよ、応戦しますから。 ラビ: く、黒アレン……恐ろしい子!