死神





両の手には、貴方への贈り物を大事に持って、貴方の元へと急いで行った


だのに


眼の前には、真っ赤な鮮血。


――――どうして…………


貴方は床に突っ伏して、其の綺麗な躯から深紅の涙を流している


両の腕に力が入らなくなり、貴方への贈り物を落としてしまった


傍に駆け寄り手を握った


貴方は、力ない微笑みを浮かべ、唯一言を告げた。


『――しくじった……アイツ頼むわ……。』


握った手を刹那に握り返し、貴方は事切れた


近くに誰かが立っている


――黒とも 白とも 判らない  衣装を身に纏った


誰かが近くに立っている――