うわ…真っ白
コンコンコン
「……はい。」
「失礼します。」
カラカラカラカラ――
「阪本先生、持ってきたよー。」
カラカラ――カシャン
「……ああ。」
パタパタ
「……」
「……?」
「……」
「――……阪本先生?」
「……
………
……あ゛?」
「コレ、何処に置きます?」
『文化祭 出し物許可願い』
「……」
コト
カサ トットッ キィン シッ
ジジジジ……
「――――フゥー……
適当に、そこら辺に置いといてくれ。
悪かったな、使いっぱしりさせて。」
「いえいえ。」
パサ
「いつもの事ですから、お気になさらず。」
にっこり。
「ははは。相変わらずの毒ぷりで頭が下がる思いですよ。」
「そう思うんだったら好い加減やめてよねー?
僕は生徒会の人間でもないんだからぁ。」
「ははは――。
……しかしもう、半分生徒会役員みたいなもんだろう。」
「違う!違うよ違う!僕は生徒会役員なんかじゃないよ微塵も!
そもそも役職何処だよコラ。」
「―――……フー。」
トントン
「生徒会雑用係?」
「疑問系で返すなコラ。」
「はははは、冗談だよ、冗談。
ん、や、本当にご苦労サマ。」
ジジ……ジッ……
「――阪本先生。」
「んー?」
「答えたくないなら答えなくても良いんだけどさ。」
「フー―――――……」
「なにかあったの?」
「……」
「……。」
「………。」
「……いや、そんな見つめられてもさ……。
せめてなんらかのリアクションが欲しいんですけどもね?」
ジジジジ――
「質問に質問で返して悪いが、なんでそんな事聞く?」
「え?なんでって……それは――」
「それは?」
「えーっと……それは……えーとー……。」
トン
「答えらんねーのか?」
「いや、えーっと、一応口止めされてるからさー。」
「ははっ、誰にだよ。」
「こまちゃんに、だよ。」
「あー、ヤツキかぁ。
そういや今日なんとなく何時もと様子違ったなぁ。はは。」
「否、何時もと様子違うのはこまちゃんじゃなくて、阪本先生の方ね。」
「ああ?そうか?」
「そうだよ。
こまちゃんも云ってたけど。妙に塞ぎ込んでたり、何時も以上に寡黙だったり、間が開きすぎてたり。
そう思えば饒舌になったり。」
ジジジ――
「なんて云うか、浮き沈みが激しいとでも云うか。」
「フゥー―――……。」
「あと、『煙草の量が多い』って、こまちゃんが。」
「ック、俺の嫁かっつーの、アイツは。」
ジジッ
「……それだけさ、こまちゃんも阪本先生の事が、心配なんだよ。」
トン
「フゥー。かな。」
「……うん。」
「――ま。大した事じゃねーから、そんな顔すんなって。」
「……うん。」
「……こうしてちゃんと仕事はしてるし。」
「……」
「……なんだよ。」
「ちょっとお兄さんに見せてみなさい!」
「あ?おい、ちょっ……!」
ガサガサッ
「……」
「………なんだよ。」
「ほら、コレ観てみ?ほらほら、うわぁ……真っ白だよ。真っ白。
コレの何処が仕事してるって?」
ガササッッ
「うるせーな。良いだろ、ほっとけ!」
「んもー、そんなんじゃ駄目だよ。」
「はいはい、判ったよ。ちゃんと仕事しますよ。」
「そうじゃなくて。」
「あ?」
「辛い時とかは全部吐き出して良いんだよ。」
「――!」
「独りで溜め込む必要なんて……。」
「……」
「――まぁ、でも今の阪本先生も、それはそれで良いと思うけどね。」
「は……?」
「憂いを含んでてなんか、色っぽい。」
「――は?はは、そうか?」
「うん、色っぽ過ぎて鼻血出そう。」
「ははははは!!
そっかそっか。」
「うん。色っぽ恰好良い。」
「ははははは!!
それはそれは。勿体のうお言葉に御座います。」
「うむ、今日は無礼講であるぞ。」
「はははははっ!
――ありがとな。」
「……うん。」
□設定■
阪本先生=阪本ミキオ
未だに名前の漢字が決定しない。好い加減決めてやれって感じだな。
使用しているライターはジッポーじゃない。
ジェントルマンが使ってそうな奴(名前知らない)。ジッポーより大概高い。
一人称が僕=三月 凍季也
生徒会役員じゃ無いですよ。一般生徒ですよ。
パシられてますよ。
大概教師に対しては溜め口叩きますよ。
28.さよなら
の、数日後のお話。
もう少しフォローする内容にしようかとも思ったけど却下だ却下。
阪本先生は何処までも鬼畜生臭でいくがいいさ(え?)。
そんな阪本先生が、作者は大好きさ。
まぁでも。
生徒に相談するのは可也抵抗あるでしょうねぇ。
それでも、三月とこまちゃんの言葉に、助けられたんだと思います、彼。
そうでなければ酷すぎる(俺が)。
阪本先生も色々と、考えている事があるんですよ。彼、大人だし。
全体的に『……』が多いのは、仕様です。
作者が『……』を多用するのは癖ですが、今回は仕様です。
『……』って、好きだな(なんだよ)。