…ゴメンなさい。勘弁してください。






始業ベルがもうすぐ時を告げる。

そう、私のハートを焦がすように。

ああ……休憩中のこの喧騒すら、私達を祝福してるみ・た・い……vv
もうすぐ……もうすぐ愛しのダァリンが私のモトへ!!!!

 (若干、事実と異なる表現が含まれております、ご了承下さい。)

『キーンコーンカーンコーン
   キーンコーンカーンコーン……。』

きたきたきたきたぁ――――――――――!!!!!
愛いの始業ベルが鳴ったああああぁぁぁぁぁぁ!!!!
くるよくるよもうすぐくるよ、愛しのマイダァリンがvvvv
ほらほらほら、すりガラスに影が映ってる!!!

……?
あれ?なんか、いつもより心なしか背が高いヨフナ……?気のせい?

『ガラガラッ――』
「オラオラ、お前等とっとと席に着けー。」

・・・・・・・・・・・・
はいいいぃぃぃぃ!!?
ななななな……なんでなんで小町先生じゃあないのっ!!!!??
今の時間はー……そう、現国だから小町先生の授業の筈よね。うん。
そうよ、皆だって現国の用意してるんだから間違いないね。
なのになんで!なんでなんで小町先生じゃないのよ!!この人誰!?何科担当!!?

あっヤバッ。目が合っちゃった……。
「おう、其処のキミも席に着け。本鈴も鳴っただろ。」
「は、はい……。」

うっわ、恥ずかし!!っていうかテメェ誰だよ。早く名乗れ。それとも皆はコイツが誰か知ってるの?

「阪本センセェ、こまちゃんどしたの?」

こっ……この声は!!!三月さん!!
って、何ちゃんと挙手しながら発言してるんですか。あぁ、そんな貴女も可愛いけれど…vv

「授業中はせめて"小町先生"と云え。
 嗚呼、そうそう、説明が遅れたな。や―……小町先生は急な出張が入ってな。授業に出られんから俺が替わりに来た訳だ。
 このクラスは直接教えた事は無いが、まぁ宜しくな。
 んじゃ出席とるぞー。
 安西ー―――……。」

……マジッスか……小町先生が出張ってマジッスか?
いや、嘘だ・嘘だ、きっと冗談だ。
もうすぐ小町先生が小走りで「いやー、すみません。遅れました。」とか微笑みながら来るに決まってる。きっと絶対そうなんだ!!

「――やまー。麻山ー。麻山優妃は欠員かー?」

「あっっははっ…はい!」
「……。」

やや、やばい?名前点呼してるの忘れて小町先生の事妄想してたよ。あぁ、色んな意味で最悪。

「ったく。いくらや――……小町先生が急な出張に行って、代打が俺だからって気ぃ抜き過ぎじゃねーか?
 もうちょい意識こっちに残しとけよー。
 次ー、三月ー。」
「はーい。」

ははははは、はいいいぃぃぃ!?!?
なななな、何を仰いますか貴方様は!!
それじゃまるで、まるで私が小町先生の事、すっ、好きだってバレてるみたいじゃんかぁ!!!!
ててててていうかバレてますか!?

「あー、でー、小町先生から、"何遣って頂いても良い"と云うお達しを頂戴しててな。
 で、どうする?
 俺は此処で現国の授業しても良いし、社会科の授業しても良いし、自習にしても良い。
 どうする?」

ああ、ざわついてるざわついてる。

何でも良いなら自習にしてよ。寧ろ早退させて。小町先生が出張行ってて居ないなら、ココに居たってしょうがないし。これじゃ終わりのSHR ―ショートホームルーム― も期待できそうにないしなー……。
あーもー無理・無理。やる気失せた。帰りたい。今すぐ帰らせてよぉ!!

「おう、齋藤か。なんだ?」

……サイトウ?って人がなんか挙手してる……何云うつもり?

「ええっと。クラスの意見がまとまりましたので、僭越ながら室長であるワタクシから述べさせて頂きます。」

うわー、この人こういうキャラなんだ!?なんかキモチワルゥ〜。

「面白味も期待して、阪本先生に現国の授業を給わりたいという所存でございます。」

アイタッ、なんか云っちゃったよこの人。もう、ブーイングの嵐だね。

『パチパチパチパチ……』

って、なんで拍手喝采!?おかしいよ皆!!って、桜までかよ!!もう、皆私の敵ね敵!

「よし、判った。」

やー、もー!小町先生以外の現国なんて受けたくないんだからぁ!

「じゃあ自習な。」

っっおい!なによそれ!!自習って、現国するんじゃないの!?しかも皆、何納得してんのよ。
なんなのこのクラス。このノリて何?ココは学校よね、お笑い育成所じゃないわよね!!
あーもー疲れるー!!自習なんだから睡眠学習もO.Kよね。もうやってられない。
なんと云われようが私は寝るわ。

「あと、お前等80db以上騒いだら罰則な。」
知るか!!



「ぅう……ん………。こま…ち……せんせぇ…v」

・・・・・・・・・

・・・ん?何……頭の上?……何か硬いモノが…………?

「んん……なに……?」
「よぉ、やっとお目覚めか?」

・・・・・・この声は!?

「さっ……サカモト先生!!?」
「――……。」

え?何!?私もしかして名前間違えたとか!?

「えっ……えっと……?」
なんかリアクションくらいしてよ〜〜!!!

「……あのなぁ、ヨダレ・拭きなさい……。」

ぐぎゃああぁぁ!!!
なななな、なんてこと!!!私もしかして、ヨダレ垂らして寝てたの!?たっ、タオルタオル!!!!

「しっかし、能く寝たなぁ、キミも。」

わぷっ。
ちょちょちょちょ、頭とか撫でないでいーから。そういうのは小町先生にしてもらえれば……――

「よく……寝た?」

……周りにどなたも居りません。桜でさえも!

「ああああ……いや、先生、コレは違って――」
「まぁ、そんな事はどうでも良いんだが。
 キミ、一体どんな夢見てたの?」
「え?」

あ……笑った顔、ちょっと格好良いかも……。
手に持ってるのは――学級日誌?もしかしてアレが頭の上に乗ってたの……?

「寝言で『こまちせんせぇv』とか云ってた……。」
「キャ―――――――――――――――――――――――ッッ!!!」
「……!?」

「ごっ……。」
「『ご』?」
「……ごめんなさいっ勘弁してくださいっっ!!」
「あっ、ちょっ、まっ……」
『ガラ シパーンッ!!』

「……何も走り逃げる事ないだろうに……。」


三十六計逃げるに如かず。





















設定:



今回の主人公=麻山 優妃
マヤマ ユウヒ と読む。
モデルは作者の友人で名付け親。ボケと云うか天然さん。
キャラクタ・本人ともにこまちゃんに夢中。
そんな貴方にワタシは夢中。

小町先生=小町 八月
三月に"こまちゃん"呼ばわりされる。
今回緊急に出張。ごめん、こまちゃん。

阪本先生
こまちゃんの事を"ヤツキ"と呼んでる。ついつい癖で授業でも……。
急遽小町の授業の穴埋めに入った。この時間暇だったんだよ固羅。
どうやら新しいオモチャを見つけた様子。
鬼畜。サディスト。悪魔。
でもこんな鬼畜でも彼女居るんですよ、どうですか!?

齋藤=齋藤 暁
サイトウ アカツキ。まんまじゃん。
ノリで出来たキャラクタ。三月のクラスの室長。
室長って何か判るよね?










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