君と一緒なら

どこまででも

地獄だって

天国だって

行けたはず





















『夢の続きを』


















さわり
さわり

駆け抜ける風。

心地よい春の風が舞う。

「かっつらさぁぁぁん♪」
「………うるさいぞ。」

穏やかな日差しの原っぱに立っていた桂。
そして駆け寄って来る1人の少女の姿を確認し溜息を漏らす。

「えへへ、見つけたから来ちゃった。」
「…別に構わんが。」

笑うに桂はクッと笑みを浮かべる。
何だかんだ言って実はに甘い桂。

「ってか桂さんがココに来るの珍しいね。」
「…そうか?」
「うん。滅多に来ないじゃん。」

原っぱに腰を下ろしは桂を見上げ言う。
桂もの横に腰を下ろすと空を見上げる。

真っ青な空。
雲1つない綺麗な空。

まるでココは天国。

「まぁ、俺は無茶しないからな…」
「うん、高杉と銀ちゃんは良く来るモン。」

は2人の顔を思い苦笑をする。
怪我ばっかりして危ない2人を思うともう苦笑しか浮かばない。
無茶をするな、ここに来るなと言ったってあの2人には無駄なこと。

「そう言えば坂本さんも滅多に来ないよ。」
「…そうか。」

桂が一言だけ呟くとは笑みを浮かべ立ち上がる。
そして、桂に手を差し伸べる。

「さぁ、桂さん帰りなさい。まだ貴方はココに来るべき人じゃないから。」
「…まだ少しココにいたいと言ってもか?」
「えぇ、夢は必ず覚めるものよ?いつまでも夢を見てたって無駄。」

夢の続きを求めても
結局それはだたの夢でしかない。

、一緒に帰らないか?」
「それは無理。」
「俺と一緒にこればいい。」
「桂さん、大変嬉しい申し出ですが私はこれで満足だから。」

桂の手を握りは悲しげに笑う。
桂はやっぱりと溜息をつくとの手を借り立ち上がる。

「また逢いにくる。」
「逢いに来るのは嬉しいけどまだこっちに居座っちゃ駄目だよ?」
「分ってる。俺は死なない。」

いつも一緒にいた。
いつも側にいた。

君となら何処へでも行ける気がした。

天国でも
地獄でも

だけど君は先に逝ってしまった。

でも俺は追いかけない。
追いかけるなと君が言うから。

それにまだ君は完全にそこにいるわけじゃない。

「私は皆をそっちに戻す役目をするから安心してね。」
「あぁ、誰一人ココに居座らせない。」
「桂さん、約束ね♪」

が微笑むと桂の意識はフッと消える。
真っ暗な闇の世界へと沈んでいく。
そして、闇の先に見える光。

その光を掴もうと手を伸ばした瞬間。
いつもの見慣れた天井が視界に入ってくる。

「よぉ、起きたか。」
「あぁ。」
ちゃんには逢えたか?」
「あぁ。」

銀時の問いに桂は静かに答える。

「ま、はそのうち戻ってくるさ。」
「連れ戻してみせる。」

夢の続きではなく現実に彼女を。
夢の中だけでなく自分の側に彼女を。

「なぁ、。」

桂は名を呼ぶ。
この部屋の隣で眠り続けている少女の名を。

桂は呟くように呼ぶのだった。














いつかは

君をこの手で抱きしめて

夢の続きを

現実へと…












END
















――――――――――

響 唯史のサイトにて
随分と昔に斬り版を踏んづけちゃった記念に書いて戴いたドリー夢。
なんておっとこまえな桂さんなの。
もう涎が止まりません!!
黎ちゃんありがとーvv